ゆうばり②ヨーロッパ企画のみなさんと

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3時ごろ就寝の7時起床。
合宿所でシャワーを浴びて、素敵な朝食へ。
殆どのゲストの方がここで宿泊しているので、
朝食を摂りながら色々な方とお話もできる。


眠気眼もなんのそので、早朝プログラム『黒部の太陽』を観に行く。
一般のお客様多し。でもゲストっぽい方は少ない。
うーん。この映画劇場でしか観られないのだから、もったいないよなぁ。
内容は入魂の映画。
石原裕次郎を生まれて初めてかっこいいと思った。
金と知恵と体力があれば自然にだって勝てる。それは人間の大変なエゴかもしれないが、
一貫すればそれもまた大成なり。この一貫を実に丁寧に且つ複雑に捉えた力作だった。


すこーしぼんやりしながら、先日出会った俳優さんとお話したりして、
『死霊遊戯』『殺人ナースと人喰いメイド』を観る。
もうしわけない。前者は全てが寒かった。ホラーをミスリードしてコメディへと転じていこうとしている
のだけど、アクション愛が先行して、全てが中途半端に。

『殺人ナースと人喰いメイド』はなかなかシニカルでその裏腹に友情という中々粋な仕掛けがあったのだけれど、
昨夜お会いした阿部サダ美と名付けた魅力的な女優さんが全くうつくしく撮影されていなかった…。
バディ映画なんだから、どっちも掘り下げないとあかんよのう。と思った。


それから『ゆれもせで』出演の本多力さん所属の劇団ヨーロッパ企画×ROBOTのショートフィルム上映へ。
な、な、なんと16本ものショートフィルムを一挙上映。
間にヨーロッパ企画永野宗典さんたちのトークもあるのだけれど、脳を一挙にかき回される。
常にしょうもないSFなどを組み立てる
ヨーロッパ企画の作家・上野誠氏が監督した作品は電卓型のタイムマシン(電卓のみ時間を遡れる)とか、
企画力命にしているヤクザ任侠モノとか、20人近くの刑事が狭い殺人現場を踏み荒らす『藪の中』とか、
着想が突拍子も無く面白い。
舞台上では底なしに明るく饒舌な永野宗典さんの監督作品はどこまでも暗黒で、自己愛に満ちた作品ばかりで、
これも素敵。映画監督が自分の映画の中に逃避する『監督くん』などは後半脳みそ真っ黒になる。


ヨーロッパ企画の社長さんに誘われて上映後、打ち上げに参加させていただく。
何年か前はほんとに憧れの存在であった皆さんとスープカレーを分け合うことが出来るなんて。
しかも隣のテーブルは井口昇監督組だ。むちゃくちゃにされないだろうか。
などと思いつつ、色々お話をした。
所謂映画通たちにはヨーロッパ企画×ROBOTの映画たちは評価されていない傾向にあるのだけれど、
独特な娯楽に徹しようとする姿勢は他の追随を許していないと思う。
何よりも面白がることを熱く、冷静に考えているひとたちだ。
人を踏みにじることなく。


明日はバナナまつり本番にも関わらずまた翌朝4時ごろまでお酒を飲んだのでした。