六本木で映画でも観ようか

六本木で映画でも観ようか。なんて、行ってきたのが
ドロップシネマフェスティバル。

2日続けて観たのは

『最低』今泉力哉監督

以前、個人的に監督本人から、DVDを頂いていて何度も観ている作品。
「だからなに?」と思うひとは思うのだろう。という映画なんだけど、
僕はこの映画、どうにも頭の中から切り離せない。
劇場では笑いがあんまり起きなくてふしぎ。
僕は浮気男が恋人と浮気相手に挟まれたときに「僕」と「俺」と使い分けているこまかーいところで笑った。


『お姉ちゃん、弟といく』吉田浩太監督

おんなのこが、男の子を蹴るときはなんであんなにうつくしいんだろう。
ぼくは姉がだいっきらいなので、ほんとこんな関係いやだな。と思ってしまった。


『けものがにげる』村松正浩監督
予告編はないんですが、これはもう。もふもふだった。
以前、大阪で観てから勝手にけものがもっと暴れ回る印象に塗り替えていた。
英語字幕付きで、台詞の意味を意訳とともに噛み締められて、より村松監督の意の中へ潜れたとおもう。



311仙台短篇映画祭映画制作プロジェクト作品『明日』
http://www.shortpiece.com/prg_a.html

僕はこのプロジェクト立ち上がったとき。どうだろうか?と思っていた。
まず、311という記号化に嫌気が漂う。区切ってどうするんだろう。リセットはきかないし、戻れない。
だからといって日付で区切って、何ができるんだろう。という疑問があったのだ。
だから311だから3分11秒。というのに全然意味を見出せなかった。


監督名あいうえお順で絶え間なくなだれ込んで来る、作品群たち。
楽器、音楽、首つり、病気、ひきこもり、立ち直り、
色々なキーワードが意図しないまま数珠繋ぎになっていく感覚が楽しい。
しかし、その陰にはやはり311といわれている記号があり、感傷に浸る自分がいる。
そこをぐっと揺さぶって、目を覚ましてくれたのは今泉力哉監督の短編。
個々の作品色々感想はありますが、これはやっぱり作品の集合体として観るべき。というかそうなっている。
参加監督の鈴木卓爾さんが「我々の意図を超えて繋がっていくことの素晴らしさ」というような事を仰っていて、
ようやく作品が補完されたような気がした。



色々な宣伝物、広告物、特に映画関係に多い「3.11以降〜」っての。
いらないぜ。って毒づいていたら
妻が「免罪符のつもりでしょ?」と応えた。
そのとき抱えた気分は忘れないでいよう。
映画ってのはさいあくな気分を全然違う方向から、
立ち直らせて、気付かせてくれるもんだろう。って思う。