めがねのはじまり

眼鏡をかけるようになった。
乱視が酷く、免許更新も近くなってきたので、調達することになった。


近眼も少しあるらしいのだが、遠くの文字が特にぼやける。
ぼやけるというか、ひかるというか、まざるというか。
とにかく、そういうのだったのだ。


それが、眼鏡をかけるとどうだろう?文字のエッジはくっきり、
猫の毛は一本一本がすっきりありありと眺められるようになった。


一旦その世界に慣れて、眼鏡を外すと、
世界はなんというか、「背景ぼかして、プロみたいな写真が」的なアレの世界。


小学生時代は勉強も運動もダメ。のび太一歩手前の僕を支えていた自尊心は
目がいい。ということで、こんなぐりぐり目玉で目が悪かったら、
もうどうなっていたことだろうか。
タイムマシーンに乗ってあの時代に帰り、
あのころの自分に「ごめん、眼鏡かけるようになった」
と言えば「自殺して、存在を消してやる!」と脅されるだろうか。
「いや、大丈夫、結婚できるから」と言っても。
「大人になれば、会社にも行くし、結婚だってする!」
と反論されるであろう。
「いや、就職はまあ、何か出来るんだけど、辞めちゃった」
とペロっと舌を出してみたら、威力皆無なキックを受けることになるんだろうな。


などと思いながら、シナリオ改稿のことだって考えてるんだって。ええ。