カツモクエイガ2作品のかいせつ 「ニューヘアー」

新年ですね。今年も宜しくです。

今年はかなり活動すると思います。サラリーマンを辞めましたし、東京にも移住します。

今年一番目のイベントは、MayFlyの作品を一挙上映する「カツモクエイガ2」です。http://mayflymovie.web.fc2.com/katsumoku.html

1月15日(土)の開催に合わせて、公開する作品の紹介を今日から1日1本ずつできればと思います。

というわけで今日は

MayFly No.001 「ニューヘアー」(2005年制作)昼ノ部のみ公開

予告篇

http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=86457

夏。
咲子とトムに「遺書」が送られてきた。
それは共通の友人でヘルニア手術で入院中のイトイさんからの「遺書」だった。
トム曰く、奇妙な指示が書かれていたという「遺書」。
その「遺書」の指示に従いながら、咲子とトムはドライヴにゆくのだが・・・。

という、おはなしです。




制作のきっかけになったのは前作「おわりはおわり」がPFF2005アワードで入選・審査員特別賞を受賞し、
高校演劇部時代の友人のムラハシくんが「何かつくろうぜ」と声をかけてくれたことから始まった。
僕は高校時代は途中で完全ドロップアウトしてしまい、演劇部の方々とも絶縁状態だったのに、
わざわざ連絡して来てくれたのだ・・・。
嬉しくなったので、当時別の監督さんが撮影中だった自主映画にて僕と共演していた住忠 美咲さんに声を
かけて「何か」を作ろう。となったわけである。

さて、その「何か」がクセモノで。最初はゾンビの出ない、ゾンビ映画を企画。
シナリオも完成していたが、何かふわっと頭の中に浮かんだおはなしができたので、急遽企画変更。
上記の「ニューヘアー」のおはなしが完成したのだ。
当初、ムラハシくんが出る予定では無かったが、話をしている内にふわっと主役に決定。
なにもかもふわっとしたきっかけで進められたのであった。

当初は15分の短編映画を予定していたが、シナリオの深度を突き詰めていく内に尺が伸びていった。
決定稿をそのまま読むとおそらく15分で劇終。
のはずなのだが、ムラハシくんも住忠さんも体で本を読んでいくというか反射神経で演技しているようなタイプ。
僕の意図を超えるような面白い間をつくったり、反応をするものだから、カメラを回す時間が多くなっていった。
ラストシーンに至っては一度撮影したものの、役者の反応とロケ地が合わないので、ロケ地を探し直して撮り直しまで敢行。
で、完成すると45分。ということである。

PFF2006に応募した結果、見事入選。「おわりはおわり」が好きな人にはあんまり好印象では無かったようだが、
東京会場で年配の方が
「自主映画ってぎすぎすしたイメージありましたが、これは温泉に浸かっているような気分になれました。ありがとうございました」
と握手して下さったのが印象的で、この映画のイメージが掴みやすいコメントのような気がする。
あまり映画監督というのは過去の作品を振り返ったりしないものだと思うのだが
「ニューヘアー」は何だか見返してしまう。
温泉の下にはマグマがあって。この作品の温さの下にはやっぱり煮えたぎる「じごくのようなもの」があるとは思う。
でも、その「じごく」を冷ます答えが必ず必要なんだろうか?「あついのやだー」と地団駄を踏んでもいいじゃないか。
と見返す度に思えるから、見返すのだとおもう。


ラブストーリーだと思ってかかると火傷するとも思いますので、ぼやーっと見てくださいね。

舞台挨拶には、ムラハシくん、美咲ちゃん。共に出演して下さいます。実に5年振りに3人揃うので楽しみです。