さようなら、回顧 7月21日〜22日その1

 昼。もっそり起き出す。まどさんが朝食を作って下さった。パンと目玉焼き。ラピュタを思い出す。パズーのカバンて魔法のカバンみたいね☆

 さてさて、今日はPFFの表彰式なのでスーツに着替え、Oさんと共に渋谷へ出発。まどさんはおめかしの為後発。渋谷でMちゃんと合流し、会場へ。去年同様、舞台袖でパラシュート部隊よろしく並んで座って、待機。まどさんが隣にいてくれて良かった。「はっこう」はこの時点で絶対、賞を取ると確信していたので、まどさんに

「去年、僕が審査員特別賞で壇上に上がって降りて来るときに、まどさんが『おめでとう』って声掛けてくれたじゃないですか。だから、今年は僕が『おめでとう』第一号になるんで、壇上から降りて来たら、僕だけを見つめて下さい」

と告った。

「や、川原くん、あたしの後ろの席じゃん。難しいよ」

と照れていた(迷惑そう。ともいうか)まどさんであった。

ズドンと始る、表彰式。席について発表を待つ。結果はhttp://d.hatena.ne.jp/lostyami/20060722に。

正直、「はっこう」のグランプリ発表には震えた。声も挙げたし、まどさんがコメント(慟哭に近い!)をしているときも涙ボロボロである。京都で、岡監督、木村くん(「トロイの欲情」メンバー)とお披露目試写にて震えたこと。カンパ制だったけど千円丸々、支払ったこと。その後、ロケ地で凍えながら眠ったこと。全部が一気に洪水。沈没だった。

そして壇上から、降りて来るまどさんは、まっすぐに僕を見つめてくださった。

「おめでとうございます」

言えた。

しかしながら「ニューヘアー」は入賞もなく。結構好きだった。「〜ニコル」は入賞もなく。「single」もPFF賞の中には入らず。不満はちょっとあったりして、審査員の全体講評を聴いていました。ぼんやり聴いていたら、やまだないとさんが「あと、もの書きとして、コレいいなあ。と思ったものがあって、漫画家やまだないと賞としてもらえれば。入賞はしてないんですけど・・」

お、なんだ?でもないとさん、ちょっと題名忘れてる?と司会のAさんが「ニューヘアー」と助言。

え?

「あ、『ニューヘアー』ですね、すごく好きです」(僕の脳内ではこう聴こえた)

 また涙ボロボロ。やまだないとさんの漫画をしっかり読んだことはないけれど、『漫画』というものを崇拝していた僕には衝撃だったのです。おじぎしました。何度も。

 さて、一行はパーティー会場へ。なんだか、昨年より小さなホテル宴会場。あ、去年の審査員、恩地日出夫さんだ!と声を掛けてみたが、顔は覚えていて下さったが、作品名は忘れられていた。くそう。

 何だか腐った前説のような、トリオ芸人の腐った芸が始まり。呆然。色々な方に「去年、こんなんだったんですか?」と聴かれる。あまりにもしんどい前説だったので、「隼」の市井監督とロビーに避難して、談話。市井監督曰く
「舞台で乾杯せな、いけないみたいですよ」とのことなので、2人でグラスを持って監督らが集まる所へ。

 偉いひとのお話をずっと聞き流していると、何かスタッフK嬢がウロウロしている。と、僕を見つけて「あ、発見!」
と笑っていた。ずっと迷子になっていた僕を探していたみたいだ。

 で、舞台で乾杯。

 その後で、審査員にかぶりついた。ってオドオドしながら緒方監督の方へ行ったら、いつの間にかMちゃんは伊勢谷友介さんと談話中。スイマセン、スイマセンと話しかける。目をまっすぐに見つめられてしまい。ドギーマギー。色々ダメ出しされたけど、聞く耳持てない感じだったので、そこは合気道で。流す。しかし、いっぱい考えを持ってるのだなあ。と思い、思わず

僕「『害虫』の伊勢谷さんはよかったです」
伊勢谷「『は』って」(笑)
僕「あれって、まるっきり他と違って見えるんですよ」

以後、『害虫』トーク

 で、やまだないとさんとお話。キュートすぎて何話したか覚えてません。 

その後で小川真司さん、伊藤俊也さんとお話。伊藤さんは「意図は意志は汲めるが、焦点の合わせ方がまだ試行錯誤段階だ」と至極もっとも。小川さんは大分、お話して下さって、さすがプロデューサー。メスの入れ方がウマいです。「ジョゼと〜」のお話もできて嬉しかった。内容は僕だけのモノ。うふ。

 で、緒方明監督を見失ったので、Mちゃんのおもりを任せたOさんの所へ行くと、あがた森魚さんと写真を撮影したとのこと。さらに函館映画祭の関係者に名刺までもらっていた。紹介しろ、して、して下さい!っとあがたさんの所へ。もうオーラでまくり!なるほど吉井和哉氏曰く「世界で最も美しい唄」を唄うわけだ。

 さらにぼんやりしていると、ビジュアルアーツ専門学校時代の同期さんが声を掛けて下さった。さらに「いいこ。」という作品で招待参加していた小谷さんともお話。彼もビジュア出身。そしてなんと、ビジュアルの先輩、山田雅司監督(PFF2004年入選作「つぶろの殻」監督)も来ているとのこと!山田さんは今回アワード作品上映前の先付け映像を監督されていたのだ。そして僕は専門学校在学中、山田さんの課題作品を観て、一気にファンになってしまっていたので、これまた感激。コワイ人かと思っていたけど、すごくジェントルメンでした。ビジュアル万歳。マンセー

 ようやく緒方監督を補足して、お話。「正面から撮影しろ」「思い切って、君の撮影を誰かに委ねてみろ。危険だが、やるべきだ」「言ってることと人物のおもいがちぐはぐなのが狙いなんだから、やはりそのちぐはぐの表情が観たいんだよな」いやあ、凄い凄い。愛ですよ。これは。撮影の仕方まで実演して下さった。しかも、別作品、出演女優さんをモデルに見立てて。さらにその勢いで「いや、役者は良かったね。良かったよ」とモデルさんに向って話しだした。

僕「緒方さん、あの、その方は別作品の・・・」
緒方「あ!そうか、御免!わははは!」

 いやあ、男前だな。「独立少年合唱団」は僕の人生を変えたので、その旨を伝えて握手。

 その間に村松さんや一次審査員の方ともお話。

やまだないとさんと記念撮影。サインももらった。

さてはて、二次会へと突入するのだが、つづく。