『きをつけてね』撮影制作メモ③

つづき。

撮影2日目。にして最終日。本来なら3日間確保していたのだが
前述したドタバタにより、撮影は2日間になってしまったのだ。


よって最終日は主人公夫婦が辿り着いた部屋でのやりとり中心となっている。
部屋の仕込みなどもあって、結構大変である。
芝居も大きな動作のものもあるし、助監督くんのお部屋の物を外に出したりしているので
部屋の持ち主自身の助監督くんに周囲のお部屋のひとたちに挨拶してもらうようお願いする。
これも結局徹底しておらず、大家さんの旦那さんに叱られることになる。自分でやるべきだった。
それでも近隣の方は親切で、「大変ね」「いつ上映するの?」「がんばって」などと励まして下さった。感謝。
さらに、昨日クランクアップした俳優さんが1人現場お手伝いに来て下さった。車止めやら人止めなんでも
進んで行って下さって助かった。


僕は大方、荷物の見張り番で、時々撮影の進み具合を確かめたり、ジュースを補充したり、
助監督くんの私物の雑誌を読んだり、制作ってそれなりに楽しいものだな。とも思っていた。
日中の部屋の中はだいたい撮影が終わりそうだが、この後、予定していた踏切付近の撮影へ移行すれば
相当時間がかかりそうだ。まず、踏切の周辺環境が皆の帰宅時間になってしまっているので、
季節感が合わなくなってしまう。
撮影の合間に監督と相談し、人通りの少ない静かな踏切を探す当日ロケハンを決行。
これがあるもので、人通りの少ない静かな踏切を見つけ、カーナビにセットして送り出す。
一応、全てダメだったときの代案も考えておいたが、監督の意向に沿えてよかった。


夕方までに撮影しなければならない屋外シーンはまたもギリギリ撮影OK。
室内がひとつ残っていたが、それは暮れるのを待って照明で作り込めばいいのでは?
とも提案してみたが、決行された。しかし、カットが繋がらず夕飯休憩に。
といっても、撮影続行だと思っていて、且つ最終日はほかほかのカレー弁当を届けたい
と思っていたので、すぐには夕飯が出せない。
「暮れたんだから、1カットでも撮影してくれい」とお願いする。


夕食を各々の空き時間に摂ってもらい、夜の撮影へ。
じっくり行ってほしいが終電時間もある。
このあたりから送り出しの手順なんかももやもや考え出す。
全員、終電を逃させると全員送り出しになり、撤収などにも響くので、
帰られる方から随時帰宅していただきながら、荷物番。
いつの間にやらクランクアップしておりました。
撤収手順を連絡してまず俳優部を送り出し。(監督に行っていただきました)
その間、お部屋を片付け、帰ってきた監督と共にスタッフを送る。
帰宅するスタッフがそれぞれ運転するというシステム。
最後の送りはなんと横浜中華街。
1時間ほどのドライヴを終え、監督と一緒に横浜から帰ってきたのであった。
ほとんどフレームをのぞいていない、僕は監督に「あれはどうだった?」と色々聞く。
そりゃ脚本も担当しているもの。気になるぜ。
でも監督は大分お疲れで「何か映画以外のはなししようぜ」と言い出したのであった。
なるほど、その辺の気遣いも制作として必要か。


とにかく撮影は無事完了致しました。
これから編集作業開始ですね。
みなさん。続報をお待ち下さいませ。