ぢつづき

ヒーローショー [DVD]

ヒーローショー [DVD]

「ヒーローショー」観た。
アンチ余命なんたらとか、アンチなんたらキーズとか、そういう部分もあるのだろうけど、映画の動機はそうじゃない。
一度まいたねじは動き切るまで、回り続ける。
ねじが動き出した瞬間からこの映画の中の時間は途切れなくなり、後ろにも戻らない。
人間を埋めたあとで「お疲れさま」とか冗談みたいな空気も現実としてどこまでも絡んで来る。
例え何を言っているのか分からなくなるまで混乱しても、あのときから、今の瞬間まで世界は地続きなのだ。
血続き。となった世界を目の前にして人間は「どうしよう?」の言葉も忘れて腐っていく。
申し訳ないけど、その腐り具合が映画になるんだな。ひたすら腐って続いていく。
ラストシーンはそのインパクトを殺さず、奇妙にスカッとする後味。そしてあのエンディングテーマ。


編集してこそ映画だろ。画の連続が映画だろ。と言わんばかりのテンポのいい編集は相変わらずだし、
「笑いは一切排した」と井筒監督は言うけれども、そのことにより生まれた笑いもあり、新たな井筒和幸ワールドなのかも。
そして苦手なひとは一生苦手な続いていくまとまりの無い映画なんだろうな。感動したい人にはオススメしません。