ウォッチメン」を観た。


まず、観客(10人くらいかな)の空気。すごい違和感。
「えー。ヒーローじゃないじゃん」というため息亜空間。
高校生男子集団は、何だかもうニクソン大統領とかベトナム戦争とかがわかんない感じである。勝手に無知を想像してごめんね。でも上映中のヒソヒソ声がむかついたんだわ。


全体的に冗長な感じがあったので、それだけでついて来れなくなったのか。
確かに「300」や「ドーン・オブ・ザ・デッド」に比べたら尺は長いし、時間軸はバラバラだし、台詞回しもむっつかしい。でもあのじわじわ感をおいしいと思わないのは損だぜ。


特に事件の真相を映画の頭から最後まで「妥協せず」に探るヒーロー、ロールシャッハのじわじわ感。それなりに強い。まあ、知恵も気迫も人並みちょい斜め上ぐらい。警官隊に囲まれるとちょいとまずい。ソレくらいのヒーロー度でありながらも、強大な力を前にしても真実を追走する。
彼の結末のおかげで、僕の心身は中学生のときに感じた世の中に対するもやもやを取り戻せたような気がする。


そういう映画だったと思う。あきらめて、投げ捨てていた違和感をぐいぐい引き戻せる映画。「マニアックなアメコミヒーロー」とか「政治的な観点も盛り込んだランク上のアメコミ」とかいう売り込みじゃなくて「おいおい、お前ら、何か忘れてないか?忘れたかもしれない年頃の奴らが観ろ」という売り込みにしたらよかったのに。長いか。