さんかい

一度目。

ふつうに金縛り。


二度目。

目をさますと家の外で子供が車のおもちゃでがーがー遊んでいる音がする。夜中なのに、うるさいなあ。
外を窓からのぞくと、三人の子供がおもちゃで遊んでいる。それをバットをもった老人が叱っている。
言うことを聞かない子供たちに辟易して、老人はおもちゃをバットで壊して、窓からのぞく僕の方を見て、笑う。
あわてて、隠れ、眠る僕。車のおもちゃのがーがーはまだ止まずに、そのまま金縛り。


三度目。

うぎぎっと体をひねると、目が覚める。夜中。どきどきしながら、再び目を閉じる。
と、耳鳴り。ラジオのノイズのような電波音。そして金縛り。

うぎぎっとしても、金縛りは解けないので、よめの名前を呼ぶ。しかし、まるで粘土のような声しか出ない。
全生命力を振り絞ってよめに助けを求める。


よめが手を掴んでくれたことで、金縛り解除。


夢プラス金縛りの重ね打ちは初めて。
最恐だったのは、14歳のときに金縛りにあって、気がついたら誰かの手を握っていたこと。


今回は実在の手でよかった。