あきらめろ、あきらめるな、あきらめられない

ミスト [DVD]

ミスト [DVD]

知る人ぞ知る、スティーヴン・キングの中編小説「霧」の映画化作品。
手堅く、無難にキングの作品を映像化してきた、フランク・ダラボンが監督しとるので、緩い映像化かと思ってた。
しかし、凄い。
凄い、独創的で、古典的で、生理的に怖い。音もなく、脊髄に管を差し込まれるような演出。
音楽を極力削って、導入部分をスリムにする。うまい。

しかし最大の凄さは、その結末。キングに直接許可を貰ったという逸話付きのオリジナルラスト。
僕はこの選択を憎む。
しかし表現としては正解とか間違いとかを超越した「問いかけ」であると感じた。
シンプルな問いかけ。「あなたなら、どうする」「どうおもう?」
その問いかけの表情すら演出してしまえる。
そこまで表現に人間味を削れるのか。
尊敬もできるし、軽蔑もしたい。
ホラー映画はそこが魅力なのだ。