CO2

CO2上映展に行って来ました。5日のプログラムを全部では無いのだけど、観ました。「ヘルベチカ ステップ」という作品は脚本に面白さを感じたのだけど、たくさんの「やりたい」が制御できていないのが残念。整理はしなくていいんだけど、引き出しをうまく選べたらもっと面白くなりそう。でも、好き。

「ネコハコベフジワラさん」は初めてスクリーンで観る。いい。と思った。そんで「嫌と思う人もいるんやろなあ」とも思う。これ、製音作業ん時に観に来てた、まどさんが言ってたことだ。

上映後は企画選出段階の審査員であった合田健二さんと座談会(?)照明が目に痛いけど、合田さんはとても話し易い人だった。きっといい人だ。と思い楽屋で話したかったのだけど、あんまり時間が無かった。残念。

助成監督と審査員トークってのがあったが、しんどいだけだった。いるのか?ああいうの。場を盛り上げるため?下がるよ。というような欠席裁判が観に来て下さったベッキオ氏たちの間で行われていた。
僕自身もしんどかった。やるからにはきちんとすべき。せめて、台本作れ。と思う。素が活かしたいのであれば、それをお金取って見せる価値があるのかどうか考えて欲しい。

ロビーにてヘトヘトになってたら「ネコ〜」を観て下さったお客さんが数人声をかけてくださった。本当、これが力になります。これがないと、しません。できません。ありがとうございました。

授賞式。最終審査員のひとたちをチラりと接しただけで、勝手なことを思うのはよくないのかもしれないけど、「この人たちには受け入れられないだろうな」とぷつりと思ってしまったので、ドキドキはせずに会場にいれた。結果主演女優賞を主演の喜多香乃実が受賞した。で、プレゼンターは中原昌也氏で「審査段階で棒にも端にも(漢字間違いならすみません)かからなかった作品ですが、その唯一の救いにもなってなかったのですが、なっていたので、決まりました」とのこと。喜多も僕も笑ったけど、僕は0,1秒後にはらわたが煮えくりかえった。

観た人がどう評価して、それを口にするのは自由だと思う。でも、賞を与える段階で満場の席で、何を言っているんだ。冗談ならなおさらである。なめるなよ。どれだけの人間がこの映画をつくるのに本気を出したと思うんだ。冗談で審査して、冗談で決って、それを冗談で賞与するのは侮辱だ。陵辱だ。表へ出ろ。審査員に選んだCO2責任者も表へ出ろ。消費者金融で今すぐ助成金50万円かりて、そのまま突き返すから、作品に一切言及しないでくれ。CO2のもとで上映しないでくれ。

と喜多が言うわけも無く、僕はといえば「会場締め切りですから」というスタッフを押し切って、1人表へ出ただけだった。
まあ、「あんまりだよ」という気分ですかね。節操の無い表現ですが。

市長賞というのが最上級賞らしいのだが、該当者なし。いとうせいこう氏が何かコメントしていたが、正常な精神でコメントを聞けていなかったので、その時の気分はさすがにここには書きたくない。

打上げもあったが、あれがヤケ酒というものなのか。ほんと不味い酒だった。しっかり味わった。できるだけの人と話しをしたかったけれど、出来なかった。僕と話しをした方全員に謝ります。心はここにあらずでした。特にスタッフさんたちには申し訳ない気分で一杯です。

ベッキオ氏がふと声をかけてくださった

ベッキオ氏「川原君はいいと思うんだろ?「ネコハコベ〜」は」
僕「はい」
ベッキオ氏「じゃ、いいやん。つくって見せる以上はどんなことも言われるよ」

僕がいいと思うのは、お客さんの反応、つくってきた経緯、全部含めてだ。反省点が無いわけではない。もっと出来たことはある。それをどこから汲み取るかが難しいし、次に活かすのも大変だ。だけど、だからこそ面白いし、やりがいだってあるんじゃないか。ふてくされる所を間違ってるよ。いや、つまずく所を間違ってるよ。と気付かされた瞬間である。
おかげで、その後すれ違った中原昌也氏に「いや〜、オレだけが言ってたんじゃないからね」と古谷実氏に描いていただきたいような顔で話し掛けてきたのだけど、「いや、もう・・」と片手をヘロリとあげ、ヘロリとからあげを取ることに旅立つことができた。

ベッキオ氏にはずっと映画音楽を作っていただいているが、モノをつくりあげて楽しむということをなあなあにならずに刺激し合ってきて下さった。これからもそうあってほしい。

「ネコハコベフジワラさん」全関係者の皆さん、本当にありがとうございます。お金と時間を消費して観て下さったお客様大感謝であります。どうか、映画をお家とか仕事場とか、生活に持ち帰って下さい。お気に召さなかった方がいらっしゃいましたら、これに懲りず映画を観て下さい。月並みではありますが、次がんばるので。

違う、次もがんばりますので。

東京会場もあります。お楽しみに。

あとCO2運営スタッフ全員は悪意があって、やっていると思いません。『上映→観てもらうこと』こその映画であり、会場スタッフさんたちはそのために頑張っていたと思います。上映していただいて、ありがとうございました。打上げで言えなかったので書きます。