ドーン・オブ・ザ・ぴあ

 ホテルのスタッフから「はよ、でていきやがれ」という冷たい視線に追われ、ぞろぞろとロビーへ出て行く招待者たち。ここで色々入選監督さんにコメントをもらう。小林でび監督にもらっている最中に、曽我部さんがピアノを弾き始めた。すごい!!「みなさん〜二次会もありますよ〜」と完全に酔っぱらいながらもその音はゆったりと心に染み渡る。

 二次会場へ移動中、曽我部さんに「映画作らないんですか?」(曽我部さんはいつかPFFに応募したいらしい)と聞いてみる。そこから曽我部さんの映画論へ突入。タランティーノのお話、楽しかった〜。教えてやんないよ〜だ。「みんなそれぞれよかったんだけど、受賞したときって嬉しいだろ〜」「僕はさ、音楽やってて一回もこんな場で認められたことなかったの。だから、すごく羨ましいし、みんなの顔見てると、嬉しいんだよね」とニコニコしていた曽我部さんの顔にサニーデイ・サービスの影がちらりとよぎった様な気がする。影といっても悪いもんじゃないけどね。

 二次会場は大きな居酒屋さん。三つのテーブルに別れていたので、僕はそれまであまりお話できなかった「ロールキャベツの作り方」の熊谷まどか監督と、主演の大庭かおりさんらが座る席についた。

 そこへ、Oさんと「トロイ〜」の岡監督、「カササギ〜」石川監督、さらには曽我部さんもやってきて他のテーブルとは違ったミニマムな感じの宴。僕はビールを誰かにつぐ度にこぼしてしまい、曽我部さんのホラー映画話しに花が咲いたり(「死霊のはらわた」よりも「ゾンビ」が濃い)大庭さんを男子全員が「
エロいっすね〜」とはやし立てたり(ほんとエロい)、酔いつぶれた曽我部さんの首に「そ」とマジックで落書きしたり(犯人はエロい人)・・・・

 そして三次会。なんだかよく分らんまま、熊谷さんチームに引っ張られて新宿ゴールデン街へ。すごい所らしいが、東京へ来て初めて馴染んだところだった。ソワレさんというシャンソンをたしなむ方が経営しているバーで、外や中でわいわい飲む。ソワレさんの歌っているDVDを見てOさんと僕は感激。ソワレさんは見た目ベンジーそっくりで、かなりカッコいい。でも「いいのよ。いいのよ。うん気にしないで〜」とメチャクチャ優しいのだ。さらにここで大庭さんも働いているようで、皆から「ハニー」と呼ばれていることも発覚。なんていいシュチュエーションなんだ・・・。と壁に手をかけてアンニュイな表情のハニーさんをデジカメでパチり。

 小林でび監督とペチャクチャ話し込んで、バーの外へ、おっデブ猫がおる。ハニーさんが「ジョジョっていうんだよ〜」と教えてくれる。すげえ、奇妙な冒険してきたんだなあ〜。とジョジョを触る。「なんだ?てめえ〜」と睨むジョジョ。「いいじゃん、いいじゃん」と話しかける僕。充分に怪しい人だ。熊谷まどかさんの旦那さんで音楽担当のIMOさんも加わって撫でるが、そこでジョジョ、ブチ切れ、IMOさんの手を切り裂いた。どん引きのIMOさんをケラケラ笑う僕。

 その後、別のお店二階で、Oさん、IMOさん、ハニーさん、熊谷さんと飲む。といっても僕はイモ焼酎を間違ってロックで飲んでしまい。ぐてんぐてんになっていただけで覚えているのはOさんに「それってルパン
カリオストロで乗ってた車ですよね」と聞いたことぐらいだ。

 明けてきた。ソワレさんのお店に戻り、二階で、「エスカルゴ」丸監督、Oさん、「トロイ〜」の脚本、木村くん(彼の着ているソニックユースレディオヘッドのTシャツは皆僕の持ってるのと同じ)とまったり話す。丸さんの固くそして強い意志に気圧されてしまい、泣きそうにすらなった。がんばれ。応援してるよ、丸さん。

 ハニーさんにお別れを言って、Oさん、関監督、木村くんと新宿駅へ。なんて汚い空だ。関さん「川原さん
どうっすか?映画に撮りたいですか?」僕「いやあ、住みたくもないからなあ・・・」

 でも、ゴールデン街にはもう一回行きたい。

 7時。ホテルへOさんと帰り、チェックアウト準備し、少し寝る。

 起きて、チェックアウト。そばを食べて、国際フォーラムへEP3展を見に行く。入場料金高い!!国際フォーラム内でだらだらお茶をしばきながら、ぴあを振り返り、ぼんやりする。

 空港でOさんが募金してもらえる、ブレスレッドを見つける(正確にはそれを買うと基金に募金される)
さっそく買って、身につける。

 おみやげも買い、いざ徳島へ。

 Oさんの奥さん、息子(一歳)の出迎えで、徳島に降り立つ。そのまま4人でケンタッキーへ。家に送ってもらったついでに息子くんに、家の犬を見せてあげる。めちゃくちゃデカイので怖がるとおもったが「わんわん!!」とテンション高め。最初は僕をじーっと疑ってみていたが、「こいつについてくと、わんわんに会える」と思ったのか、別れの際はめちゃくちゃ笑顔で「バイバイ」をしてくれた。

 Oさんらの車にバイバイをして家へと向う。「ここで泣いておくべきかなあ」と思うが、なんだかおかしくてしょうがない。久しぶりに明日も明後日も楽しみな場所にいる。全部の人がそうだったらいいのに。本気でそう思っているので、それもおかしくてしょうがなかった。

7/24
 何か悪夢を見て目が覚める。買い物があるが、出かける気も起きずに、昼までぼんやりする。モスバーガーでマンゴラッシーを飲み、DVテープを買い、マンガ喫茶パタリロを読む。「おわりはおわり」上映会のポスターなど宣伝用のもろもろを作ってくれる人に会い、打ち合わせ、プロって感じで信頼できそう。ちょっと空気が怖い。「キャッチコピーがあった方が安心して見に来れるよ」は!!そうか、そんなんもいるんだなあ・・・。てなわけでキャッチコピー大募集。コメントで書いてくれてもいいし、メールで送ってくれてもオッケー。糸井重里さんが読んでくれてるとうれしいなあ〜。採用された方にはラーメンおごります。ちなみに僕がそのとき浮かんだのは「きれぎれに」のひと言。町田康さんの小説でそんなのがあったので脳内却下。