左のクーロン

 インフルエンザにかかったとは知らずに髪を切り、風呂に入る。

 以下は高熱に魘された僕が見た夢だと思う。

 テニスの試合に勝った僕は帰り道で、戦車大隊に襲われる。
 
 戦いは防戦一方だったがなんとか一般市民を学校へ避難させることが出来た。
 
 しかし、恋人や家族の安否を気遣う人たちはパニックを起こす。そこで一人の女の子が立ち上がった。
19か20の年ごろであろう、肌の透き通った黒髪の彼女は頬を赤く染めて話し始める。

「左のクーロンのお話です」

 そのとき、教室の左側が紫色の光に照らされた。



 ・・・・左のクーロンってなんだろ?九龍ってことかな?熱下がっても頭の左が妙に重いのは気のせいかしら?