スーサイドモーニング

 姉が自殺未遂した。精神科でもらった薬一週間分を一気に飲んだ。勤め先での執拗ないやがらせで、パニック障害を起こした姉は、現在勤務先を訴訟中だ。薬を服用しながら車で通っていたため、玉突き事故をしたりして、てんやわんやだったが、それでも踏ん張って会社と闘って来た姉を崩したのは、恋人との別れみたいだ。遺書に書いてあった、恋人宛の文章に「うらぎられた」と書いてあった。

 姉の遺書には「生きていても仕方がないので」自殺すると書いてあった。
 
 死ぬべき人間はそれに気付かない奴らだ。僕はそう思う。生きる価値とか、命の尊重とか聞くと反吐が出る。そんな風に人間は暮らしてはいない。あっという間に死ぬし、それに対しては当の本人は何も感じない。誰もが生きていて、何か得をするものではない。だからこそ踏ん張ってみるのではないか。

 できることなら僕も消えてなくなりたい。ふわふわしていたい。そう思っていたが、今日「あ、違うわ」って思った。

 気付いたら、とりあえず生きてみよう。次の秒まで、分まで、時間まで、日まで、月まで、年まで。