16の芯

脚本がとてもよくできている。それ以上に好きなおはなしだ。
物語の縦糸はあくまで、腐敗した警察の追跡から、重要参考人を裁判所まで届けるダメ刑事の物語。
けれどもしっかりとした横糸がある。「過ちを踏みにじる」か「過ちを乗り越える」どちらを呑み込んで前へ進むのか。
それらが絶妙の台詞回しと人物描写で描かれている。
そして作者の芯が見える。
きっと脚本、監督さんは何か痛みを知っているひとなんだろう。話してみたい。
そういう意味で好きなおはなしなのだ。
「ケーキに書く言葉なんか無い」
という台詞に、何か震えた。
ただ、まあ酔いどれのブルースはいっつも切れ物。もっとドジばかり踏む刑事でもおもろかったかも。ジョン・グッドマンなんかいいのでは?



大阪ローカルラジオ番組「ABCアシッド映画館」がレギュラー放送終了とのこと。
10代の映画感を育んでくれた妄想ファックディストーション(?)な番組でした。
この番組さえなければ、もっと背筋の伸びた真面目な映画づくりをしてしまっていたでしょう。
19の頃だ。はじめて自分の監督作品が映像コンペで上映されることになった。
有頂天になった僕は、告知のお願いを番組に宛てた。
パーソナリティーの平野秀朗さんは番組の最後にきちんと告知して下さった。
「皆さん、是非観に行ってください!」
下衆なんだけど、爽やかで、熱い、斜めにまっすぐ、ええラジオをありがとうございました。
これからはスペシャル枠で定期的に放送とのこと。ええラジオをよろしく。