たぶん悪意

 雨。3月ですね。

 傘をさして仕事場へ。傘立てへ傘を入れて、結構まじめに働く。帰り際、傘立てから傘を抜こうとしたら、柄の部分というか、芯がすっぽり無くなっていた。

 警備員室は目の前。

僕「あの、傘がこんななってんですけど、誰か壊しました?芯預かってたりします?」

警備員「いや〜、無いですね。っていうかアレ、本当はちゃんとした傘立てじゃないんですよ」

 いや、傘数本入ってるし、他に傘立て設置されとらんし。

警備員「なんかね〜、職員も『持ってくよ〜』とか言って抜いてくんだよね」

 芯を?芯だけを?それってアレ?そういう妖怪?

警備員「なんだったら、ここの傘、どれか持っていけばいいですよ。誰のか分らんし」

 お前も妖怪か?そういう類いの。

 今から獣の槍でも作るか。人身御供は無くてもいけそうだね。