金属バットと漫画喫茶とレインメーカー

 Oさんと深夜のドライヴ。来週、「トロイの欲情」の監督さんらが遊びに来るので、どこへ連れていこうかなどを話し合う。

 ふと立ち寄ったローソンで地図などを読み、徳島の地方情報誌で「不思議ゾーン」的特集記事があったので、読んでみる。探偵ナイトスクープのパラダイス的特集。

 地獄の様子を人形とかで表現した館を紹介していて、記事の文章が面白半分なのに嫌悪感がよぎる。

 その地獄の中で「子殺しの罪を背負った者が落ちる地獄」というのがあって、女の人が、膣内から子供を引きずり出して自分で食べている人形を掲載させていた。「産んでは食べる無限の苦しみ」だそうだ。

 面白半分。

 殺意。

俺の空」じゃないけど、そんな地獄を作った輩がいるなら、殺す。間違いなく金属バットで殴り殺す。

 Oさんのランチアがトンネルを潜っているとき、本気で出版社を襲ってやろうかと計画していた。

 ふとOさんが漫画喫茶に行こうと言い出した。これは珍しい。折角なので、僕の以前働いていた店のチェーン店で静かな雰囲気のところへ。

 その方がよく暴力を練れる。と漫画の棚を観ているフリをしていると、Oさんが一冊の漫画をもって来て

「コレ知ってる?」

表紙はちょっとエッチな感じの漫画。どこかで観た事あるな

「表紙はエロイけど・・・」

と中身を観る。それは表紙のエロイ感じの女の子が「工具の使い方」とか「機械の仕組み」とかを解きほぐす。平たく言って「なるほど〜」な漫画。そんで、僕は実際、何かで読んでいて「レンチの使い方」に感心したことがあった。

「あ〜!ソレ!知ってます!」
「やろ?何か読んでしまうよな。でも表紙がいっつもこんなんやからなあ」
「ははは」
「まあ、そんだけ」

 スタスタとOさんは自分のブースへ。

 ああ、もういいや。何かもういいや。と、「ジャングルの王者ターちゃん」を読む。可笑しいし、エッチだし、けれど底なしの優しさと強さがここにある。っておおげさかいな?けれど、何か読んでしまうのだ。

 その後、でっかい漫画雑誌アフターヌーンを山積みにして色々読む。「げんしけん」にハラハラしたり、「ヒストリエ」をじっくり味わったり。

 本当、漫画は心のオヤツ。

 ついつい2時間滞在。帰路中、ビデオで録画したけどまだ観ていない映画「レインメーカー」の話題。

 夜が明けて家に帰り、おはようポテトと卵をフライパンで焼いて、パンに挟んで食す。耳はきらいなので、切って、犬にあげようとすると、祖母がさらにフライパンで焼いてあげていた。香ばしいのが好きなんだって。

「はやく食べたいよお」

絶対そう言ってるよ。あの目は。ときどき、犬の目の仕草がYやこいびとさんに被ることがあるので、ヤラれる前に、ベッドへ雪崩込む。

 悪夢ではなく、いい夢。うん。

 起きて、「レインメーカー」を観る。フラットでなきゃいかん。けれどそれは心の芯に憤りがあってこそである。そんな感じ。ミッキー・ロークの声は好きだ。

 お昼はカレーとビール。

 夕飯はカツカレー。

 これなら、もう金属バットもいらんね。来週楽しみだ。