けいじば

 朝、バスに乗るとおばあさんとバスの運転手が話しをしていた。どうもおばあさんはバスの行き先を尋ねているらしいのだが、喋っていることが、とんちんかんだ。仕方無く、優しいおねえさんが通訳に間に入る。

 整理すると、おばあさんは「けいじば」という所に行きたいらしい。少ない乗客、運転手が全員首を傾げる。

「けいじば?」

「競輪場?」「市役所?」「焼き場?」など様々な質問をするものの。おばあちゃんは「けいじば」の一点張り。しまいにゃペットボトルのお茶の成分を読み始める。

 運転手さんが、停留所一つ一つで停止して「ここで?」と聞いていたので、おばあさんは目的の場所で降りたが
どこに行きたかったのかは「けいじば」どまりだった。