ユース

 バイト終って、バス停にてi-podをいじりながら帰宅中に聴く音楽を考えていると、目の前を一本のタバコが横切った。けったいなことであるな。と飛んで来た方向を見ると、女子高生が鼻から煙をくゆらせていた。火を投げているということが分らないのだろうか?お前にはファイヤーマリオになる資格は無い。

 音楽はソニックユースに決めて、バスに揺られていると、前に座っているおとなしそうな女子高生が何かカバンを取り出した。手書きの手紙である。そう。授業中に回ってくるヘンテコな折り方をするアレだ。
 僕も高校時代、付き合っていた彼女から休み時間になる度に無印良品のメモをヘンテコに折った手紙をもらった。おかげで「むじるしりょうひん」という読み方というのを知ったし、ヘンテコ折りも覚えたもんだ。僕が書いた内容は彼女の色々な悩みやその授業の感想などを全く無視して、ウケ狙いでシュールなギャグマンガや、とても欲しかった前の席の女子のカバンにぶら下がっているギズモ人形のスケッチだったりした。
 今や、メールばっかりかと思っていた。こんな手紙も滅びてしまったものだと思っていた。

 バスの窓の外からは坂道を一生懸命自転車で登っている女子高生が見えた。何故かしきりにおしりを掻いていた。

 みんな無敵マリオになって良し。