レィデイオヘッド

 先週土曜日、早朝と今夜、ラジオ出演。前者はFMで後者はAM。

 ラジオ収録の空気は面白い。見えないことを意識させないように喋るというのはまさに職人の世界だ。僕も伊武雅刀先生を意識して低ーいトーンで喋ってみる。「ヤマトの諸君・・・」とは言えなかったが、友人からは「声、渋すぎ」と爆笑された。デスラー級になったらスイッチ一つで宇宙空間へ投げ出してやろうか。

 もちろんギャラなどなく、タオルとボールペンをもらう。今度はテレビ出演も待っている。バスタオルと筆ペンくらいはもらえるんだろうか?

 共演させていただいた方は大分年配の方ばかりで、話しているとやはりどこか保守的な匂い。というよりも新しいモノに対する恐れのような感覚を受ける。自分がニュータイプで年寄りはオールドタイプとは思わないが、こういった趣味や趣向の年齢を越えた迎合がなければいいモノってのは作れなくなるんだろうな。としみじみ感じた。


 ギターロックで一躍有名になったイギリスのバンド、レディオヘッドトム・ヨークの言葉が何だかそこで聞いたことのように、リピートされている。

「ロックなんて退屈だよ。だってゴミ音楽じゃないか」

 誰かはその思考こそロックそのものだと言った。彼らは決してロックを捨てたわけではなかった。ジャズ、ラップ、テクノ、トランス・・・音楽そのものを貪欲に飲み込んで、再びロックへと回帰して来たのだ。

 映画を作るにあたって何を飲み込むか、そして何を吐き出していくのか。あかん。思考回路はショート寸前ですわ。

 そんな中、謎の発熱。寝ていると、久しぶりにYの夢を見た。どこかの売店で人がたくさん並んでいる。「いっぱいおるな〜」と歩いていると、売店のカウンターの向こうでYが忙しそうに働いている。Yは僕に気付き何かを喋っているが雑踏の音で聞こえない。ちょうど友人が近くにいたので「オレ、聞いて来るよ」とYの方へ行ってくれた。片一方だけおさげに髪をくくっていたYをぽかーんと見ていると、目が覚めた。

 何が言いたかったんだろう。同じ夢を見ていたんだろうか?僕が表現できることはこの「?」なんだと思う。好奇心と猜疑心。それが枯渇したらこの世は本当退屈。ゴミだろうな。