スーサイド

 今さらながら映画「いまを生きる」をきちんと観た。個性を殺すことの苦しみ、個性を活かすことによる他者との争い。それに敗北したとしても、個性を活かした人間の個性は死ぬことはない。

 自殺をしたいわけではないが、この映画に限って自殺は悲しさ以外に何かしら僕を惹きつけるものがあった。今、映画をつくることが完全に出来なくなってしまえば僕は死ぬことができるだろうか?できない。映画よりも、戦争で死ぬ子供よりも、セックスよりも、僕は「死ぬ」ことを避けていたい。楽になれるわけがない。生きている今も、こんなに苦しいのに、それ以上に苦痛を味わいたくない。

 しかしながら映画の中で語られていたように、僕らは必ず死に到達する。望もう
が望むまいが、死ぬ。だからこそ個性を活かして、自分の思うまま生きる。その
思うままが僕には出来ない。少なくともその道が断たれたら死を選ぶしかないような、そんな「思い」が僕には無い。あったんだろうか?今一度締めつけて欲しい、この生を。