極限

 今日もクソマニュアルにクソ研修だ。しかも同じシフトのOくんが寝坊。怒り頂点の店長は僕が電話で呼び出してあげたOくんを「遅刻は解雇だから今日は帰れ」と言い放つ。しょんぼりして帰るOくん。

 ちなみにこの職場バイト二人でシフトに入る。まともに店を動かすのはこの二人のみである。Oくんが帰ってしまえば、新マニュアルを覚えつつ店番をしながら、使用された席をクリーニングしなければいけない。(その他に『清掃』という呼び名の作業があり、シフト中に各個室を念入りに掃除しなければいけない。『クリーニング』と『清掃』って同じ意味だろ?それなのに使い分けを間違えるとおこられる。アホだ)

 案の定、オザケンきっしょい君は使えない。声は小さい。やけになって声を大きくしている僕を誉める声も小さい。腹立ったので、「はあ?」とあからさまに志村けんチックに聞き返してやった。

 で、遅刻=解雇なんですよね。問題は。その考えにはまあ賛成ですよ。よっぽどの理由がなけりゃ時間を守るのは最低限のルールですから。でもおたくら。社員っていうのかどうか知らんけど、おたくらにゃタイムカードが存在してませんやね?おたくらがこの店に入って、きちんと店の仕組みを把握して統一した指示出して、フォローに回ってくれるなら文句は無いんですよ。時々顔出してとんちんかんな指示出して混乱させてるおたくらの方が遅刻よりタチ悪いですよ。

 いつからフード注文入ったら「フード入りました」なんて言わなきゃいけなくなったの?言うのが嫌じゃないですよ。指示もらってないし、連絡ノートにも書いてないですよね?なのにいきなり「フード入ります」なんてことをきっしょいオザケンの小さい声で言われても戸惑うわけですよ。そこで何か不機嫌チックに「返事しろ」なんて言われちゃ、遅刻どころか、僕がマジンガーZなら顔面にブレストファイヤーですよ。

 日本は不景気で・・・っていうけど、こんな壁つくってちゃそりゃあかんわ。どこもそうなら、もう映画製作で生きるしかないのかもな。しかもガッチガッチの大手のもとで作るのではなく、あくまで自分の届く範囲での「映画」で。と不思議と決心が湧いた。撮影に不安な天気も逆にチャンスだと思えるようになり、いいアイデアも湧いた。多分こういう風に何かを吐き出していかないと、僕は死ぬだろう。というか生きていたくない。そして自分の届く範囲をあいつらより広めたい、まんべんなく、極限まで