かいばらゆうざん

美味しんぼ」という漫画はご存知だろう。かいばらゆうざん(漢字知らない)は自分で大して料理はしないくせにでかい口を叩く奴だ。そりゃ息子も愛想を尽かすものだ。
 
 朝、仕事から帰ってきたら母が、昨夜のカレーの残りを食べていた。「あ」と僕。
「何?」
「いや、それあんたが苦手なにんにく入れてるで」
「えっ!分からんかった!」
「そう。カレーににんにくを入れるとそれほど臭みも出ない。その上香ばしさや辛みに深みが出るんだ」
などと山岡さんチックになっとるわけだが。僕はかいばらゆうざんである。にんにくを入れるよう祖母に指示したのは僕なのだ。
 
 家の炊事は祖母がつとめており、僕はよくそこに茶々を入れるのだ。「たらこスパゲティには日本酒を少々入れろ」とかとにかく口うるさい。

 よく家族周りから調理人になったらいいのにと言われるが、折角自分で作ったものを見ず知らずの人間に食べられるなどと言う行為は僕には耐えられない。というかトマト、きゅうり、レタス、なすびと嫌いなもの多しな僕がどうやって料理人になれよう。いや、でもかいばらゆうざんにもなれんな。多分彼、トマト食べれるし。