おきなわ3日目。そうごうかんそう

3日目。


はたはたと、またホテルを駆け抜け、朝食へ。おかくんも、衣裳のまやさんも、息子のたおくんもごはんを食べていたので、一緒にたべる。
ふと、むこうにはジャルジャルさんがいはるではないか。はあかっこええのう。


と上映二回目の会場は桜坂劇場なのだが、その前に昨夜一緒に呑んだ宮崎県のみなさんの映画『ウミスズめし』香川県の『MG2416』を観なければと、コンベンションセンターへ。
河津町のみなさんも同じ思いだったようで見終わったあとは一緒に桜坂劇場へ。

とてもおしゃれでいい雰囲気な劇場。


控え室でヒデさんとまた再会。「メール届いた?監督」「いーや、届いてませんね」などと2月から続いているメール届かない問題を解決するヒデさんと私たちをよそに、
てきぱきと用意をする河津町のみなさん。


桜坂劇場はなんとほぼ満員。前列ではヒデさんのファンの方だろうか、とてもきらきらしたお顔で舞台を観て下さっている方がいた。


さすがに満員では入り難いな。と舞台挨拶を終えてロビーでぼんやりしていたら、地域発信型映画の総合プロデューサーが「監督、観ましょう」とひっぱってくださった。
せっかくなので前述したファンの方の隣で観賞。
笑って、泣いて、また笑って。なんてあたたかいお客さんたちなんだろう。
上映が終わった瞬間「はー。泣けたねぇ」という声が聞こえて、恥ずかしくなり逃げ出して、劇場内のカフェでチーズケーキを喰ってしまった。



それからはすぐに飛行機で東京に戻ったのだけれど。
ここで地域発信型映画の感想まとめなど。

作品情報一覧はここにhttp://oimf.jp/jp/program/local_movie.php

『いなべ』(深田晃司監督)
どこまでもつづく田園風景を駆け抜ける自転車。
同じ風景をゆっくり歩く姉と弟。
どこかうわの空の会話。
滑り続けるコミュニケーションたち。
さすが深田監督。い、意味がわからないけれど、わかってくる「こわい」と「愛おしい」が凄まじい!
生きること死ぬこと、居ることいないこと、どれだけ何を辿っても夜は来る。そんな細く冷たい針金が背中にゆっくり差し込まれて行く。これは絶望か。希望か。



『MG-2416』(谷口仁則監督)
僕はとっても兵動大樹さんが好き。
NGKで爆笑したあの漫才は忘れられない。ホテルのエレベーターでご一緒したときに思い切って握手していただいたときは「人見知り芸人」だけあって、とても紳士で真摯にお話してくださいました。それくらいファンな僕が言うので偏ってしまいますが…勿体ない!!
ツッコミ不要な映像とキャラクターの応酬に兵動さんの呼吸がとても苦しそうだった…。
また映像の加工具合とか、アレやこれやのオマージュなどサービス精神旺盛なのは楽しいところもあるのだけれど…
作者の映像への憧れは観客にとって時に、苦痛でしかないこともある。楽しいとは「真剣では無い」ということではないのだ。



『新見的おとぎばなし』(ハセガワアユム監督)
とってもオーソドックスなおはなし。
冒頭とラスカットがきゅっと結ばれていていい後味。
幻想的な風景と雪がいやらしくなく、ヒロインの江頭ゆいさんを彩っていてきれいでした。
全員あほであることの魅力。
全員ばかであることの愛おしさ。
坂田師匠の周りにはひとを侮蔑しないあほとばかたちが集まるのだなぁ。



『レトロの愛情』(岡太地監督)
親に苦い想い出を持つものには非常にいい気持ちの映画だった。
ヒロインの女の人の叫び声は10代のころ常にさけんでいたきもちだったし、
ラストの馬場さんが思い浮かべた情景は、あのころの僕に見せたい情景と「味」だった。
記憶は傷に、傷は憎しみに、憎しみは愛情に、愛情は記憶に。きっと戻ってくる。現実に取り戻せなくても。



『ウミスズめし』(中島良監督)
計算を感じさせないテンポのいい会話。
これはまさに「岸和田〜」な感じではないですか!と中島監督に問いつめると、監督はにやりと笑っていました。
もっと乱暴でもよかったのかもしれないけれど、ヒロインの青島あきなさんはとってもキュート。
彼女の一言一言にはいちいちおなかが空くし、彼女の食べ方には間違いなく愛があった。(唯一泣いた作品でした)



全ての作品を観て、もちろん地域そのものの味もいいし、主演の芸人さんも素晴らしいのだけれど、ヒロイン。ヒロインは全て良かったのではないでしょうか。
『MG-2416』はヒロイン不在…?

倉田あみさん、江頭ゆいさん、肘井美佳さん、青島あきなさん、そんでもって我らが『大風呂屋エイジ』のヒロイン・古泉葵さん。
全員素晴らしかった。


というわけで沖縄国際映画祭の完成だけで終わるわけではありません。そうはいきません。必ず皆さんに見せられるようがんばりますので。お待ち下さいませ。