極・私的《ぼくらのじしん》公開初日

今日というか昨日の夜は《ぼくらのじしん》公開初日でした。


舞台挨拶には、主演の神農幸さん、本多力さん、海津忠さんがお越し下さいました。
『ゆれもせで』『きをつけてね』からスタッフ・キャストも客席に駆けつけて下さいました。
本多さんのファンであろう女性たちは最前列できらきらと本多さんを見つめ。


我々は地震のことについて、話しました。
舞台稽古中だった海津さん。しかし平田オリザさんどんな震度に対しても決して稽古を止めなかったというおそろしいはなし。
おなじく東京で稽古中だった本多さん。いつもガラガラな牛丼屋さんがいっぱいだったこと。

役のことも。あまりにも身近過ぎて過酷な一面もあったこと。


そして映画が始まりました。


すみません。ここから超個人的な心配事とその経過と展望を書きます。


今日は妻が観に来てくれていました。脚本を担当した『きをつけてね』は震災当日の東京に引っ越してきたとある夫婦の物語です。
完全に自分らのことをモデルにしたと言えばウソになりますが、そうじゃない。と言えばやっぱりこれもウソで。
脚本に書く際に考えていたことは
「日本どころか、せかいも終わっていくな。今すぐにではないが、結構目の前まで来ている。何もできん。では大事で大切な妻をどうしようか?」ということでした。
しかし何度か妻と衝突したり、笑ったり、くすぐりあったりしている内に「どうするか?」の前に何を言ってやるべきか。を考えないといけないのではないだろうか?
と思うようになったのです。
そんなことを考えながら書いた脚本が今、映像化して、妻が観ているので、ヘンな気分でした。
「こんなプライベートなこと書くなや!」って怒られるかな。(実際そんな怒り方はしたことありませんが)と不安でした。


上映が終わって、妻は涙目のまま「先、帰るわね」と、さっと帰ってしまいました。「あ、泣いてた」と思いつつ。終電間際まで色々な人と話してから帰りました。
明日の仕事が早い妻は、布団で丸くなっており「おかえり」と言いました。「お風呂追い炊きしてるで」
「映画、どうやった?」
「おもしろかった」
「泣いてたな?」
「『きをつけてね』の最後でめっちゃ泣いたわ。『ゆれもせで』が全然観られんかった。『ゆれもせで』は何回も観てたからええけど」
「おもしろかった?」
「うん、おもしろかったわ」
もう一回ぐらい聞きたかったけれど、眠そうな妻の頭を撫でてお風呂に入りました。

お風呂でぼくは考えました。
お客さんの入りは決してよくなかったなぁ。
興行収入もそうだけど。妻がおもしろかったって言ってるんだから、泣いたんだから。もっと色んな人に観て欲しいな。
出口でひとりひとりに「ありがとうございました」ってお礼言ったけど、皆さんなんだかやさしい顔して会釈してくださったなぁ。


そう思って、上映後、本多力さんと「明日、下北沢でチラシを配りましょう」と約束したことを勝手にさらに深く約束しました。
というわけで、明日下北沢に本多力さんと夕方4時ごろ現れます。チラシ配ります。
なんだかやさしい顔になりたい方。受け取ったら観に来てくださいね。