隙は感性の死である

井筒和幸監督作品『黄金を抱いて翔べ』鑑賞。

とにかくノンストップである。
我々の思考の隙も、登場人物の行動の隙も、どちらも死を意味するものとして駆け抜ける作品。


それだけの作品なら、ブラッカイマーのおっちゃんもやっているのだけれど、この作品のウマいところは
大阪という場所特有のユーモアというか抜けているところをすとんと入れて来るところ。
このすとん。が観る者の息継ぎになり、さらに興味へと導いていく。


たしかに、強盗の計画がどっさり杜撰なのだけれど、それを気づかせないこれらの妙技が活きている。
それに計画の正確さは二の次。楽しみたい。という浅野忠信さん演じる主犯格の性格も納得と魅力となって上乗せ。


ごちゃごちゃ書いたが「ごちゃごちゃ思わずに、観ろ観ろ」と云いたいし、いっている映画。


井筒監督作品常連の脇役陣もおいしい。できれば『岸和田少年愚連隊』『ゲロッパ』で強烈な役を演じた木下ほうかさんにも出て欲しかったなぁ。