風は停滞しないし、見えないし、通り過ぎる

憧れの(?)早稲田松竹にて、『わが母の記』『KAMIKAZE TAXI』を観た。


原田眞人監督特集?役所広司特集?いいえ、これは「敵」に立ち向かう特集。


どちらの敵も最強で、人間では太刀打ちできないだろう。
何が勝つか。まさに神風。人工的な神風ではない。
勝つというのもおかしいだろう。風。ぼくらが神としか言いようのない、力、タイミングを持った風が
それら全てを吹き飛ばしてくれる。
その壮快さ。

原田眞人監督はよく社会派作品を評価されたなんて言われているけど、多分全作品「娯楽作」だと思う。
(ご本人出演作も含めて)
風通しのよい映画空間を以てして、徹底的に人を楽しませる。
その風の通り道、時間の組み立て方が抜群。
『感染歌』みたいに風通し良過ぎて、脳みそ飛びそうなのもあるけど。いいやないか。

KAMIKAZE TAXI』の敵のひとり亜仁丸ことミッキー・カーチスの飄々とした悪役っぷりが心地よかった。
ガンヘッド』の再上映もあるようなので、バンチョーを楽しみにしたいな。