大風呂屋エイジ

監督・脚本・編集をした新作短編映画発表となりました。
『ハアドボイルド漫談師 大風呂屋エイジ 〜河津桜よ永遠に〜』

この作品は沖縄国際映画祭でワールドプレミア公開されます
http://oimf.jp/jp/

作品情報ページ
http://oimf.jp/jp/program/l_shizuoka.php


長いタイトル。どうした?大丈夫か?と思われる方もいらっしゃるでしょう。
大丈夫です。自分で付けました。面白い映画になってます。


この映画は「地域発信型映画」というシリーズで吉本興行と各地域がタッグを組んで映画を作るという企画から出発しています。
「地域発信型映画」は、各地域の方々の持つ地域の情報、生活、伝承、地域ごとの産業・物産・観光情報などを取り込み、その土地ならではの映画作品を地域の方と共に制作し、情報発信も行います。


映画の舞台となる静岡県河津町の皆さんはとにかく、やさしい。あたたかい。
河津町は山、河、海がぎゅぎゅっと詰まった地域に、そういった人の温もりがぎゅぎゅっと詰まった町なのです。
製作準備が本格的に動き出したのは12月初旬。そこから、河津町の人たちぐんぐん物語を組んでいく作業はとても楽しかったです。


主演のペナルティ・ヒデさんもとてもいいひと。何より頭の回転が早い。
タイトなスケジュールの中で少しだけ役を説明しただけで、撮影前日にはたっぷりとネタを仕込んできてくださいました。
夜中にみっちりヒデさんとネタ合わせが出来たことはとても良い経験になりました。


ヒロインには新人女優の古泉葵さん。彼女もとても柔軟で肝の座った演技を魅せています。
脇を固めるのは、『桐島、部活辞めるってよ』の前野朋哉くん。以前から一緒にお仕事したかったので、嬉しかった。
さらには河津町民を多く含む、出演者たちと合計200人のエキストラ!
彼ら彼女らがまたいい芝居をするのです。おかげで色々台詞を変えたりしました。


撮影現場のスタッフさんもとても優秀で、頼りになりました。
個人的にはずっと一緒にお仕事したかったカメラマン・古屋幸一さんとも組めて嬉しかったです。


またどこかで上映の機会があれば告知しますので、みにきてくださいね。

《ぼくらのじしん》観てくれてありがとうございました。

《ぼくらのじしん》15日の上映をもって、終了致しました。



たくさんのひとが観に来てくださいました。
確かに映画をつくっているひとが多かったです。が、ふわりとレイトショーを観に来て下さる感じのひとも居ました。
ツィッターで直接声を掛けてくださるひともいました。


感想を聞いてみると、賛否両論まっぷたつでした。
答え。やっぱり出ないけれど、答え合わせをした気分。


興行。もっともっとがんばらなければ。映画館のお仕事を少し離れていて、麻痺していたことがどくどくと脈打ってきました。


最終日は上映終了後に、PFF2005同期のまつがみくん。いまいずみ監督、『こっぴどい猫』の制作てしまさん、ロサのスタッフさんと
色々お話しました。


《ぼくらのじしん》は地方上映も目指していこうと思います。
すこし眠りますが。すぐ起きます。

まずは明日。京都PFF会場へゆきます。
京都シネマにて18時30分から『ゆれもせで』を上映します。
上映後にぼくとヨーロッパ企画本多力さんとのトークがありますので。ぜひお越し下さいませ!

http://pff.jp/34th/timetable_kyoto.html

《ぼくらのじしん》観に来てください。

《ぼくらのじしん》観に来てください。


観に来てくださったひとがいます。


昨夜は村松正浩監督とのトークの日。


上映終了後、青年がひとり声をかけてくださいました。
『ゆれもせで』を大変気に入ってくださった、大学生。
「ぼくも映画つくってます。昨日、たまたまツィッターで知って飛び込みで観たのですが、とてもよかったです」
うれしくて仕方ありませんでした。


と同時に
《ぼくらのじしん》観に来てください。
とも思った。動員数をもっともっともっと伸ばしたい。


なぜなら、見終わったあとに絶対満足させる自信があるから。
というとおこがましいのかもしれないが、この4日間のお客様の表情を観ていると
そういわざるをえない。


岡太地 川原康臣特集上映《ぼくらのじしん》

2月2日(土)〜2月15(金)
池袋シネマ・ロサにて連日レイトショー

○上映作品
『きをつけてね』
(監督:岡太地 脚本:川原康臣 出演:中村真生、海津忠、有田杏子、内村遥、鍛代良、葛上昇悟、櫻井拓也、高橋隆大、伊藤鉄、佐藤憲太郎、香取剛)

『ゆれもせで』
(監督:川原康臣 脚本:岡太地 出演:神農幸本多力

○併映作品(日替わりで1作品同時上映。詳細はHPをご確認下さいませ)
川原監督作品『ニューヘアー』『ネコハコベフジワラさん』『イートスリープクリープ』
岡監督作品『屋根の上の赤い女』『たきびにあたろう』

当日券:一般1500円 前売り券:1200円 
リピーター割引:入場券、前売り券半券をお持ちの方は800円でご入場できます。

ぼくらのじしん公式HP:http://bokuranojishin.com

極・私的《ぼくらのじしん》公開初日

今日というか昨日の夜は《ぼくらのじしん》公開初日でした。


舞台挨拶には、主演の神農幸さん、本多力さん、海津忠さんがお越し下さいました。
『ゆれもせで』『きをつけてね』からスタッフ・キャストも客席に駆けつけて下さいました。
本多さんのファンであろう女性たちは最前列できらきらと本多さんを見つめ。


我々は地震のことについて、話しました。
舞台稽古中だった海津さん。しかし平田オリザさんどんな震度に対しても決して稽古を止めなかったというおそろしいはなし。
おなじく東京で稽古中だった本多さん。いつもガラガラな牛丼屋さんがいっぱいだったこと。

役のことも。あまりにも身近過ぎて過酷な一面もあったこと。


そして映画が始まりました。


すみません。ここから超個人的な心配事とその経過と展望を書きます。


今日は妻が観に来てくれていました。脚本を担当した『きをつけてね』は震災当日の東京に引っ越してきたとある夫婦の物語です。
完全に自分らのことをモデルにしたと言えばウソになりますが、そうじゃない。と言えばやっぱりこれもウソで。
脚本に書く際に考えていたことは
「日本どころか、せかいも終わっていくな。今すぐにではないが、結構目の前まで来ている。何もできん。では大事で大切な妻をどうしようか?」ということでした。
しかし何度か妻と衝突したり、笑ったり、くすぐりあったりしている内に「どうするか?」の前に何を言ってやるべきか。を考えないといけないのではないだろうか?
と思うようになったのです。
そんなことを考えながら書いた脚本が今、映像化して、妻が観ているので、ヘンな気分でした。
「こんなプライベートなこと書くなや!」って怒られるかな。(実際そんな怒り方はしたことありませんが)と不安でした。


上映が終わって、妻は涙目のまま「先、帰るわね」と、さっと帰ってしまいました。「あ、泣いてた」と思いつつ。終電間際まで色々な人と話してから帰りました。
明日の仕事が早い妻は、布団で丸くなっており「おかえり」と言いました。「お風呂追い炊きしてるで」
「映画、どうやった?」
「おもしろかった」
「泣いてたな?」
「『きをつけてね』の最後でめっちゃ泣いたわ。『ゆれもせで』が全然観られんかった。『ゆれもせで』は何回も観てたからええけど」
「おもしろかった?」
「うん、おもしろかったわ」
もう一回ぐらい聞きたかったけれど、眠そうな妻の頭を撫でてお風呂に入りました。

お風呂でぼくは考えました。
お客さんの入りは決してよくなかったなぁ。
興行収入もそうだけど。妻がおもしろかったって言ってるんだから、泣いたんだから。もっと色んな人に観て欲しいな。
出口でひとりひとりに「ありがとうございました」ってお礼言ったけど、皆さんなんだかやさしい顔して会釈してくださったなぁ。


そう思って、上映後、本多力さんと「明日、下北沢でチラシを配りましょう」と約束したことを勝手にさらに深く約束しました。
というわけで、明日下北沢に本多力さんと夕方4時ごろ現れます。チラシ配ります。
なんだかやさしい顔になりたい方。受け取ったら観に来てくださいね。

《ぼくらのじしん》

新年です。

のんびりする暇もなく新作撮影に向けてばりばり動いております。こちらはまた発表できる段階になれば、書きますね。

《ぼくらのじしん》という特集上映をします。

昨年から企画し作り上げた『きをつけてね』『ゆれもせで』という映画二本を中心に毎日日替わりで過去作品も同時上映します。
『きをつけてね』『ゆれもせで』は友人の映画監督、岡太地と脚本を提供し合い、監督をつとめる。という企画からスタートしました。


その時期がまさに東日本大震災直後と被り、岡とぼくがそれぞれそのときに思っていたことなどをぶつけ合うというか、「こうだったけど、どう?」というように
お互いの生活感、感情などを答え合わせをしていくような形になりました。


その答え合わせはスタッフ、出演者までひろがり、震災から1ヶ月後の東京を舞台にした『ゆれもせで』が完成。PFFなどで公開され、お客さんとの間でも答え合わせが成されました。
ぶっちゃけおそろしかったです。たくさんのひとが亡くなりましたし、僕自身でもまだ震災は続いている。と実感しています。
つまり、今尚傷つき倒れているひと、何かを掴もうと必死なひともいる中でそれを利用する形でフィクションを形成しているのですから。「何考えてるんだ」と言われることがこわかったです。
しかし、批判もそうですが「震災後から自分がひきずっていた思いに寄り添ってくれた作品だ」といったような言葉もかけていただいたこともあり、
映画というのは観ていただいてからが完成。そして、そのあとで語り合うことも完成のひとつだと再認識した作品でもあります。


『きをつけてね』は震災当日のおはなし。また違った答え合わせができると思います。そしてやはり僕はおそろしいです。ぼくらのじしんについてお話するのが。
でも、今、答え合わせをしておいてもいいと思います。答え、多分出ないでしょう。でも、会って話しましょうよ。
恥ずかしかったら、映画を持って帰ってこっそり布団の中で話しかけてください。お待ちしております。


岡太地 川原康臣特集上映《ぼくらのじしん》
2月2日(土)〜2月15(金)池袋シネマ・ロサにて連日レイトショー
上映作品
『きをつけてね』(監督:岡太地 脚本:川原康臣 出演:中村真生、海津忠、有田杏子、内村遥 ほか)
『ゆれもせで』 (監督:川原康臣 脚本:岡太地 出演:神農幸本多力

併映作品(日替わりで1作品同時上映。詳細はHPをご確認下さいませ)
川原監督作品『ニューヘアー』『ネコハコベフジワラさん』『イートスリープクリープ』
岡監督作品(『屋根の上の赤い女』『たきびにあたろう』)

《ぼくらのじしん》公式HP:
http://bokuranojishin.com

ごはんをたべている

そろそろ労働期間に入る。
とはいえ、映像のお仕事も労働なわけで。
映像のお仕事以外の労働をするということで、今年の映像のお仕事をまとめてみよう。

昨年11月から今年2月まで
『くろねこルーシー』
テレビドラマ版・映画版 DIT(撮影素材整理)
テレビドラマ版・次回予告製作

生まれて初めての映像の「お仕事」次回予告では原稿も書いた。
15秒という尺でどこまで魅せるのか。やりがいのある作業であった。
毎日撮影素材を洗い出すのはとても疲れたが、撮影のリズムを掴むと楽になってきた。


3月〜8月
映画『BUNGO〜ささやかな欲望〜』
メイキング撮影・編集担当(『握った手』は編集のみ)


これも生まれて初めてのメイキング製作である・・・のだが、後述するドラマメイキング編集経験が先駆けてあったので、純粋に初めてではない。
この経験があったから「早めに現場の流れを掴む」「無駄な素材は撮影しない」「コメントは端的におさえる」などの鉄則を編み出して撮影現場に臨めた。
また、合計5組の監督撮影現場に入ったのでそれぞれの演出方法にも密着できた。どなたも参考になるといえば「お前の仕事は参考にすることじゃねーだろ」と
怒られそうだが、やはり見とれてしまうものでもあったのだ。
「メイキングは邪魔物扱いされないようにしなさいよ」「怒られるぞー」などと散々脅されてきたけれど、皆さんとても優しい方ばかり。
メイキング作品自体はおそらくDVDなどにパッケージされると思います。お待ちください。


3月〜7月
ドラマ『ミューズの鏡
DVD特典映像の全作品オフライン編集

ミューズの鏡 上巻 初回限定版 DVD-BOX

ミューズの鏡 上巻 初回限定版 DVD-BOX


オフライン編集とは、まぁ、下書きみたいなものと思ってください。オフライン編集を元にテロップ入れや、カラコレ(色合いなどの調整)を行うのが本編集。
BUNGOと被りがちだったのだけれど、DVD上下巻合計8本の特典映像を編集。
ディレクターのチェックは入るものの、構成案は僕が基を考えるので、ほぼ構成も兼ねていたかと。
ニセ情熱大陸を目指すメイキングは楽しかったのだけれど、素材量が半端ないほどある。しかも2カメ。ドラマなので収録回数も多いわけで。
慣れない素材洗い出しに構成組みにひいひい言っている僕に我慢強くて丁寧に色々ご教授くださったディレクターさんには感謝します。
BUNGOメイキング納品のタイミングなどもあり、下巻のオフライン編集は本当にオフラインのみしか出来ず、本編集を丸投げしてしまった。


俳優養成ワークショップ講師+『せいかつよ』監督・脚本・編集
これは今もやってるやつ。ワークショップを施した生徒たちと映画をつくるという企画。
「なんでもやっていいですよ」と言われたので無茶をしたような気がするが、まだ完成していないのでわからない。
今はおもしろくなると信じている。


他にもこの合間に色々、お仕事をさせていただいたのだが。上記ががっつり責務を持った仕事ではなかろうか。
もちろんこれだけではごはんはたべられません。
たべられるようにしなければ。
しかしながら、これら全てのお仕事が全て人との縁で成立したお仕事ばかりであるのに驚く。
2005年に製作した自主製作映画『おわりはおわり』から何ひとつ、誰ひとりとして欠けてしまっていては、ここまで繋がることはなかったと思う。
ギャラの不払いなども未経験のままである。ありがたい。って普通のことなんだろうけど。
この普通のことになるように働きかけて下さった仲介の方もいらっしゃるわけで。本当に感謝である。



みんな、ごはんが食べられますように。

移動はないけれどロードなムービー

ずっと映画の感想を記してなかったので。あともうすぐ労働期間に入るので。

アウトレイジビヨンド』


バカヤロー、コノヤローに比例してスミマセンの数も多かった。
大人が、しかもやくざがスミマセンとしょぼんと縮む中で人間がぱかぱか死んで行く。
その中をゆるゆると抜けていく主人公、大友。別に生きたいわけじゃない。
ちょっと笑いたいだけなんだ。という感じがさみしくていいな。
そういう放蕩をたのしむ作品だと思ったし、楽しい。そして放蕩の幕切れもシンプルで。いい。


『ドライヴ』


二度と戻れない場所ができてしまう寂しさと、かっこよさ。
1ミリでも演出がずれていたら爆笑映画になっていただろうな。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q


こちらも引き返しようのない世界で壮大に拗ねる男の子と闘う女の子の映画。
手は引いてもらったのだから、踏み出さなきゃね。って思えた。